2022年12月5日月曜日

ダイナミックオプティマイズサブディビジョン(長っ)

こちらはHoudiniアドベントカレンダー2022↓ 6日目の記事です。
https://qiita.com/advent-calendar/2022/houdini

別ジオメトリからの距離に応じてサブディビジョンの細かさをコントロールする仕組みです。


以前ツイートしたこちらの解説です。

 この例では、ラインに近いグリッドのプリミティブが細かくなる様になっています。

どんな時に使うかと言うと、エフェクトではアセットチームから来たモデル破壊などする時に
破壊する部分にディティールを持たせたいのでメッシュを細かくします。たまにモデル全体を細くしてしまう例も見かけますが、データが重くなり、自分の作業も遅くなり、破壊したモデルをパブリッシュするので、後工程にデパートメントへの影響や(ライティングは勿論のこと、最近はコンパーもジオメトリを読み込んだりしているので)、トラフィックなどデータの大きさは、行程全てに影響があるので成るべくオプティマイズした下準備がお勧めです。


ネットワークは非常にシンプルで、大まかに説明すると
グリッドのプリミティブにラインからの距離に応じたアトリビュートを持たせ、
その値でSubdivideの回数を設定するというものです。


最近HoudiniにDistance From Geometry というSopが着きましたが、少し遅いのと
後に値を0 - 1にノーマライズする際に最大値を決めるのが面倒なので使いません。

グリッド側のポイントにカラー0(黒)、ライン側のポイントに1(白を)もたせAttribute TransferでBand Widthを利用する事で、0 - 1 にマッピングする手間を省きつつ距離に応じて
グラデーションが作成されます。


このpointアトリビュートを値をAttribute Promoteでprimitiveに移します。
(最初からprimitiveにカラーを持たせてAttribute Transferしないのは、グリッドのプリミティブが大きい場合、primitiveの中心とラインとの距離が大きく上手くグラデーションが作成されない事がある為。)

この各プリミティブが持っているカラー(Cd)の値を、subdivという整数値にリマップ(fit) させて(この例では白い所は4、黒い所は0)subdivide sopのdepthに利用します。




Subdivide Sopのdepthパラメーター(サブディバイド回数)が、この新たに作った@subdivアトリビュートを参照出来れば楽なのですが、多くのHoudiniのパラメーターはh-expressionで変数(この場合は自分自身のプリミティブ番号)を使用しつつ、値を取る事が出来ないので
forloopを@subdivの値が同じプリミティブのくくりで回してあげる事で、変数を仕様せずに
prim h-expressionでプリミティブ番号0番の@subdivの値をとってきて、depthの値に使用できます。



以上です。
hipファイルはこちら

毎年小ネタで恐縮です、アドベントカレンダーに空きがあったら、もう一つ小ネタ記事を書こうかと思いますのでご了承下さい(^^;)

Houdiniアドベントカレンダー2016年から始まりもう7年目ですね。
Houdiniのテクニックは過去のものも古くならず有効なものが多いです。
 是非こちらから過去のものやチェックしてみてください。 
https://qiita.com/advent-calendar/2022/houdini



2022年8月30日火曜日

Houdiniアドバイザー

ありがたい事に 日本のとある会社さんとHoudiniアドバイザーの契約を結びました。
期間契約でセットアップを提供したり、Houdiniの質問への回答だったり、パイプラインの構築のアドバイスをするというもの。

基本的にサブスクリプション方式で毎月固定の金額ではあるが、何も相談事が無い月があれば支払いは発生しないという形。
何も手助け出来ていない月に金額が発生するのも気まずいですので、これは双方にメリットがありそうで良い形態だなと思います。

日本でもHoudiniがもっと広く使われるよう手助けができて嬉しいです。


話は変わりますが、Houdiniワークショップ6の録画視聴期限を9月末まで延長いたしました。
あと1ヵ月ご活用いただけたらと思います。



2022年4月14日木曜日

参加作品

これまでに参加した作品をまとめてみました。
たまにこうやって振り返るといいですね。定期的にやっていこうかと思います。


 

2022年3月11日金曜日

Houdiniワークショップ第六弾

まだ絶賛準備中ですが、 Houdiniワークショップ第六弾のページをオープンしました。

4月9日から開催です。よろしくお願いいたします。

https://sugi-iggy.blogspot.com/p/workshop6.html





2021年12月20日月曜日

オブジェクトをブレンドする 

この記事はHoudini アドベントカレンダー 20日目の記事です。 

ぶっさしのオブジェクトをブレンドした感じに見せる2つのテクニックの紹介です。


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初級編と中級編2つ紹介します。

まずは初級編すごくシンプルです。(初級編は当初空きがあったらApprenticeのカレンダーがあったらそちらに書こうかと思っていたんですが、全てスケジュール埋まってますね。素晴らしいです。)
円柱側(右側)へSphereの法線(N)をattribute transfer で移すのみ!Band widthパラメータで、元の法線は残しつつ境界のみにグラデーションで移せます。



簡単な方法ですが難点としては、ある程度メッシュが細かくないと綺麗にいきせん。
後半の中級編はこの問題は起きません。

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次に中級編です。
こちらは境界に補助ジオメトリをプロシージャルに作成する方法です。その際補助ジオメトリに法線をそれぞれの法線Nを持たすことで綺麗にブレンドして見えます。


まずは全体のネットワーク。


メッシュは細かくなくとも大丈夫です。

重なった部分のメッシュをBooleanで取り出し、Divide SopのRemove Shared Edgeを使い外周のみのジオメトリにします。

その取り出したメッシュにそれぞれ(球と円柱)から法線Nを移します。

その2つの法線Nをブレンドするのですが、内積をとって位置の調整をします。
この法線Nがこの後のSweep Sopで沿わすLineの傾きになります。


以下はSweepの結果。
この作例では球に対して円柱が垂直に立っていてどの境界も同じ角度ですが、
以下のような重なり具合が違う場合、内積の値を位置の調整に使う有用性が分かり易いです。

Sweepで沿わせるLineには、後に使用する終点と始点の分かる様アトリビュートを仕込んでおきます。

Sweepで作っただけでは元ジオメトリの表面と完璧に一致する位置にはないので、RaySopで円柱側に終点側(上記で仕込んだ@mapアトリビュートが1.0)のみ円柱側へ貼り付けます。

同様に始点側(@mapアトリビュートが0)を球に貼り付けます。

以上で形状は完成です。2つのRay共にPoint Intersection Normalを有効にするとそれぞれ球側・円柱側の法線Nを持ってこれスムースにつながります。


最後にストレステストをしてみました。そこそこ複雑な形状やアニメーションさせても有効です。


以上です。

Houdiniアドベントカレンダー2016年から始まりもう6年目ですね。Houdiniのテクニックは過去のものも古くならず有効なものが多いです。今回はAppernticeのカレンダーもすべてスケジュールが埋まっているようなので素晴らしいです。
是非こちらから過去のものやチェックしてみてください。

2021年1月21日木曜日

Houdiniワークショップ第5段

ワークショップ第5段正式に募集開始いたしました。3月13日から開催です。

よろしくおねがいいたします!!

https://sugi-iggy.blogspot.com/p/workshop5.html

(2021年8月追記)
↑こちらのワークショップ終了いたしました。第六弾は2022年3月辺りに開催できたらと思います。よろしくお願いいたします。




2020年12月11日金曜日

使ってはいけないStamp!

この記事はHoudiniアドベントカレンダー2020 11日目の記事です。

皆さん、大量なオブジェクトのアニメーションのタイミングをアトリビュートを利用してズラしたい!なんて事はありますでしょうか?
はい。自分は良くあります。
実は、様々なチュートリアルでStampとTime shift Sop使った悪手が散見されるので記事にしました。

Houdini独特の機能のStampですが、移動・回転・スケール・Alphaなどなどアトリビュートで操作できる値はアトリビュートを直接いじりましょう!というのはHoudiniをある程度触った事がある人ならば共通認識だと思いますが、見落とされがちなのがアニメーションをキーフレームで行いたい場合です。
そんな時はwrangleでch関数のとあるオプションを使いましょう。

まずは簡単な例から。ランダムにアニメーションをズラしています。

よく見るダメな例。ランダムな値が入ったshiftアトリビュートをstampで参照しtimeshiftノード内で使用。

スケールのアニメーションは以下の様にキーフレームでアニメーションつけています。(上図ではscale_Animationノード)


良い例。Wrangleノードの自作したscaleというパラメーターに、上と同じキーフレームアニメーションが付いています。

Wrangleでパラメーターを作る時に、chf , chvなど良く使うかと思いますがch関数には時間指定して値を取ってくるオプションがあります。

上の例だと chf('scale' , @Time - ここにズラしたい値を入れる) 

つまりchf('scale',@Time) だと元のアニメーションと全く同じタイミングでchf('scale')と同様の挙動です。  

この方法のほうが、パフォーマンスは段違いに速いのでstampはどうしようもない時のみ使う様にしましょう。



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応用例です。(トップのムービー)

といっても、本題のch関数のオプションの話は済んでいるので
この様な各面の基点、サイズ、スケールアニメーションの向き、面の向きがバラバラなタイプの表現をする時に使えるテクニックの紹介です。

大まかに流れを説明すると、各ポリゴンをから基点(pivot)、upとNの向き、サイズ(scale)を
割り出し、1ポリゴンのgridを割り出した各面のpivotにcopy to points でコピーし面を再構成しなおすという感じです。
元の形状はSidefx Lab toolsのLot subidivisionというSopで作りました。
このSopお手軽ですが、以前R&D行っていたTreemapアルコリズムとは違う様で用途は限定的です。
facet sopでプリミティブをバラバラにします。Primitive wrangle(上図get_pivot_dir)で各プリミティブのエッジ上の中点を基点としたいので、
prim points関数を使って下図の様に全ての面に対してpt0とpt1を選びます。
int primPts[] = primpoints(0,@primnum);
int numPt = len(primPts);
int start = floor(fit01(rand(@primnum*1.23),0,numPt));

int pt0 = primPts[start];
int pt1 = primPts[start+1];
if (start == numPt-1) pt1 = primPts[0];
この2点が選べれば、それらのポジションの平均が中点になり、
vector P0 = point(0,'P',pt0);
vector P1 = point(0,'P',pt1);
v@pivot = avg(P0,P1); 
v@dir = P0 - P1 ;
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upとの外積を取る事でN、dirのlengthでx size、中心点からpivotまでの距離から
z size も取得できます。下図参照。

(set_pivot_N)
vector pivot = prim(1,'pivot',@ptnum);
@zsize = length(@P-pivot)*2;
@P = pivot;
vector dir = prim(1,'dir',@ptnum);
@N = cross(v@up,dir);
@xsize = length(dir);

(この図は黄土色のプリミティブのみ図解していますが、各プリミティブに同様の処理が行われます。)
scale_timeshiftノード
float timeShift = @Time - fit01(rand(@ptnum),0,2) ;
v@scale = set(@xsize, 1, chf('scale', timeShift) * @zsize ); 
先ほど同様、chvのオプションを使ってタイミングをズラします。各面が1方向にスッと動きを付けたかったのでz sizeのみアニメーションさせています。

以上です。

早いものでHoudiniアドベントカレンダーが始まってもう5年目ですね。

毎年沢山の方が記事を書いてくれています。過去のテクニックも古くなるものは殆どないので、是非みてみて下さい。


アペレンティス https://qiita.com/advent-calendar/2018/happrentice

2020年4月16日木曜日

007 トレイラー 公開


007のトレイラー公開されてました!
いつか関わりたいと思ってた作品なので参加できて凄く嬉しい。
公開はコロナの関係で未定。。 スクリーンで観れますように。